福島第一原子力発電所の事故以来,覆土式一時保管施設に代表されるように,土による直接的な放射線遮蔽が求められている.このような遮蔽用土構造物に対して,確実な施工管理を行うためには,土の状態を表す基本量を用いて放射線遮蔽性能を管理できることが望ましい.本研究では,覆土用土質材料および土質系充填材料を想定し,ガンマ線および中性子線透過量に対する土の基本量の関係について検討した.各土質材料の条件を変化させて透過線量を測定した結果,同一厚さの土のガンマ線低減率は湿潤密度に正比例し,中性子線低減率は体積含水率に依存することを明らかにした.また,上記に示した状態量に各放射線透過距離を乗じることで,ガンマ線および中性子線低減率に関する一義的な関係が得られることを示した.