土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第44巻
GISを用いた災害時の応急給水量の評価-愛知県豊田市中心部を事例として-
松本 嘉孝加藤 崇洋猪八重 拓郎
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2016 年 72 巻 6 号 p. II_319-II_324

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抄録

 地震動などにより上水施設が破損した場合には,応急給水が避難所等で実施される.しかし,応急給水量や給水作業に対し事前に評価されていないことが応急対策の課題とされている.そこで本研究ではGISを用いて,応急給水量および作業量について検討を行った.配水人口はネットワークボロノイ分割によって求めた勢力図から求め,一日あたりに必要な水量を乗ずることで被災地域の必要水量を求めた.その結果,対象地域全般では災害拠点給水施設の保有水量が被災者の必要水量を満たしているが,宅地が密集している3地区では不足することが予測された.そして,給水作業評価も同様の手法で算出した結果,3日目までは,一日あたりの給水車台数が一桁代であった避難所は全避難所の70%であったが,4日目以降については,その割合が25%と著しく減少した.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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