2014 年 70 巻 6 号 p. II_107-II_114
地域における人々の生活を維持するためには,社会資本やライフラインの着実な点検や見回りが重要である.しかし,特に地方では維持管理に当たる人員や労力の削減が進んでいる一方で,気候の変化などによる社会資本に対する自然現象の脅威が増す中で,それに伴うリスクやコストには多くの関心が向けられていない.そこで本研究では,限られた人員や労力の下での維持管理がもたらす社会的費用を概略的かつ定量的に評価する手法を開発する.その上で,感度分析を行い,管理対象の拡大・縮小がどれだけの社会的費用の変化をもたらすのかを試算する.