2019 年 75 巻 1 号 p. 1-10
開発途上国のインフラ整備において,その品質確保に設計や施工の技術基準は重要な役割を果たす.ベトナムの港湾分野においては,設計・施工基準があるものの,その規定が古く,新しい技術や工事に対応していないという課題を有していた.そこで,ベトナムの港湾設計・施工基準について,ベトナムの現在の状況に適合する新しい基準の作成を日本の協力によって行っている.
本研究では,まず日本の港湾技術基準の国際展開に向けての考え方を整理し,日本の港湾施工基準をベースとしてベトナムの事情に合わせた港湾施工基準を作成する取り組みを行った.そして,日本とベトナムの港湾施工基準の特性を分析し,新基準策定の基本的考え方と策定された基準の特徴を論じるとともに,基準作成における留意点等を示した.