2019 年 75 巻 2 号 p. I_141-I_149
近年,構造物の画像から3次元モデルの作成が可能になったが,構造物の実応力状態などを直接評価することはできない.本研究では,デジタル画像からFEMモデル構築の自動化手法について基礎的な検討を行った.まず,T形梁を対象として画像撮影を行い3次元点群モデルを作成した.点群の座標データを3次元格子中で平均化することでFEMの節点にするとともに,部材軸方向に断面ごとで2次元デローニー分割を行った.デローニー分割で作成した面と隣接面の節点を組み合わせて3次元ソリッド要素を作る処理を行った.このような手法で作成したモデルに対して線形静的解析を行った結果,実測値や従来の方法によるFEMと比較して応力値は高くなったものの,応力分布はおおむね一致し,モデル構築手法の改良は必要なものの,基本的な適用性が確認できた.