2008年夏季において諫早湾の22地点から未攪乱底泥コアを採取し,底泥表面からの酸素消費速度を求め,空間分布図を作製した.諫早湾底泥の酸素消費速度は,3.18×10-3~1.68×10-2(m/h)の範囲にあり,その平均値は9.06×10-3(m/h)であった.北側沿岸の小長井沖において,酸素消費速度は大きくなる傾向にあった.これは,植物プランクトン由来の有機物が多く含まれているためと推測された.また,九州農政局が諫早湾央部に設置した観測地点における2008年6月から10月の水質データを解析し,現地における酸素消費速度を評価した.現地データから見積もられた酸素消費速度は,底層水温の上昇とともに増加する傾向が認められた.