2018 年 74 巻 2 号 p. I_203-I_211
本研究では,SUPG/PSPG法に基づく3次元非構造四面体メッシュを用いた安定化有限要素法による雪崩解析の結果と従来の雪崩衝撃力算出式を組み合わせることによって,3次元地形情報による雪崩挙動への影響を加味した上で,雪崩の衝撃力による空間的な対人的危険度を簡便に表現しうる評価マップを作成するための手法を構築した.数値解析においては,雪をせん断応力がせん断速度に依存するビンガム流体と仮定し,内部摩擦角と粘着力によって雪の流動特性を表現するモデルを用いた.危険度の評価マップについては,3次元数値解析結果から,斜面上の各地点において雪崩の衝撃力を算定し,その空間分布があらかじめ設定した危険値を上回る場合を危険域として評価マップを表現した.