2018 年 74 巻 2 号 p. I_3-I_11
梁のせん断剛性を評価する方法は,弾性学に基づく解析的研究に始まり,断面を離散化する数値解法が開発されている.数値解法により任意形状断面のせん断剛性評価が可能となったが,非均質断面への適用例は十分とは言えない.本論文では,従来の方法では非均質断面のせん断剛性が精度よく評価できないという問題を提起する.この問題に対し,せん断剛性評価に必要な断面の回転の定義に断面を構成する材料の特性を考慮することを提案し,これにより非均質断面のせん断剛性が精度よく評価できることを連続体の有限要素解と比較して確認した.