2005 年 2005 巻 799 号 p. 799_195-799_200
本研究では, 海水環境下で用いられる高炉水砕スラグが硬化する事例が多く見られることから高炉水砕スラグの硬化に及ぼす間隙水の影響について調べた. 特に, 海水下で硬化している現実を踏まえ, pHとCa2+の存在の有無による硬化の仕方の違いについて検討した. その結果, 間隙水が海水の場合には, pHが高くなくても高炉水砕スラグは硬化することがわかった. 一方で, 間隙水がNaOH溶液のようにpHが高いだけではすぐには硬化反応は始まらないことがわかった. このような結果の違いには間隙水中のカルシウムイオンの存在の影響が大きいと考えられる.