2001 年 2001 巻 675 号 p. 73-85
本研究は, 逆L型PRC製落石覆工の落石衝突位置, 衝突方向, 水平変位の有無, 接合形式が終局限界に及ぼす影響を調べるため, 重錘落下漸増繰り返し衝突実験によって実験的に検討したものである. すなわち, 逆L型PRC製落石覆工の1/4模型に対し, 重錘衝突位置 (柱直近, 1/4L点, 中央, 3/4L点), 重錘衝突方向 (垂直および60°斜め方向), 山側擁壁部の水平変位の有無, 接合形式 (逆L型, 全剛接型) が終局限界に及ぼす影響について, 重錘落下漸増繰り返し衝突実験によって調べたものである. その結果, 十分なせん断補強筋が配筋されている場合には, ロックシェッド模型が破壊に至る重錘の限界高さは載荷位置がはり中央から柱に近づくにっれ大きくなること, 柱直近載荷ではりのせん断破壊となったが脆性的な破壊とならず, はり1/4L点, 中央, 3/4L点載荷では曲げ破壊が卓越することなどが認められた.