土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
衛星観測による干渉SAR解析を用いた港湾施設の変状の計測
穴原 琢摩夏秋 嶺琴浦 毅岩塚 雄大佐々木 義信冨井 直弥前田 勇司西畑 剛
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_1633-I_1638

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抄録

 本研究では日本全国の観測を続けてきた宇宙航空研究開発機構(JAXA)のALOS(陸域観測技術衛星「だいち」)の計測データに時系列InSAR解析(時系列Interferometric Synthetic Aperture Radar)を応用することで,空港埋立地盤や臨海部のコンクリート構造物に対してその変動を把握できるか検証した.ALOSは日本全国を年3~4回,分解能10m,50km~70km四方の広域を数十秒ほどで計測でき,本研究で用いる時系列InSAR解析によって,現地に新たに機材を設置することなく地表面全体の変動が可視化できる特徴がある.精度検証の対象として関西国際空港一期島での現場測量データを用いており,比較した計測誤差は11.5mmと算出され,実利用面でも有用性が認められる精度が確認された.また定性評価ではあるが,過去データに遡った解析利用の検証として,小名浜港での水路擁壁にて計測された変動も併せて検証している.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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