2021 年 76 巻 5 号 p. I_1429-I_1439
近年,地方の過疎化に伴い,各地において地元店舗の衰退が進んでいる.このような問題に対して,個別的なコミュニケーションを用い,住民の地元店舗での買い物を促す行動変容施策が注目されてきている.本研究では,地元店舗の利用促進に向けたコミュニケーション施策を実施し,その効果検証と,地元店舗利用への意識に影響を与える要因を明らかにすることを目的とし,北海道豊頃町の住民対象のアンケート調査(n=257)を実施した.その結果,1) 買い物行動においてもCAUSEモデルと同様の心理プロセスモデルが存在すること,2) 地域愛着が地元店舗利用への意識にポジティブに作用すること,3) 本コミュニケーション施策による介入が地元店舗利用への意識にポジティブに作用することなどが統計的有意に示された.