2014 年 70 巻 1 号 p. 18-30
鋼床版のUリブ-横リブ交差部の下側スリット部に疲労き裂の発生が数多く報告されている.従来よりこの疲労き裂の対策として様々な構造検討が行われてきたが,製作性と疲労耐久性の両面に配慮した構造の確立には未だ検討の余地がある.本研究では,下側スリットの形状のみを変化させ,疲労き裂発生の原因となる応力集中を低減させる構造について検討を行った.シェル要素を用いたパラメトリックFEM解析と,ソリッド要素を用いて溶接部までモデル化した詳細なFEM解析により,応力集中を約75%低減させる改良構造を開発した.さらに,実大模型の疲労試験を実施し,提案する改良構造の疲労耐久性が現状構造と比較して著しく向上することを確認した.