土木学会論文集
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和文論文
造成された干潟生態系の発達過程と自律安定性
桑江 朝比呂
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2005 年 2005 巻 790 号 p. 790_25-790_34

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抄録

大型の干潟実験水槽や三河湾造成干潟で得られたデータなどを用いて, 造成干潟における生態系の構造や機能の一般的特徴や自律安定性について述べた. 造成干潟において頻発しがちな大きな地形変化とりわけ標高の上昇は, 底生生物の個体密度を大きく減少させ, 生態系の自律安定化の障害となっていた. 造成干潟において底生生物の種類数が安定するまでに, 造成後2-6年以上要することがわかった. したがって, 事後モニタリングを長期間実施する必要性が示された. 種類数の安定化に要する時間は, 底生生物の幼生供給や成体の移入の効率性に影響を受けていると考えられた.

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© 2005 公益社団法人 土木学会
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