日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
日本臨床麻酔学会第31回大会 招請講演
全身麻酔中のアナフィラキシー
光畑 裕正
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 32 巻 4 号 p. 479-487

詳細
抄録

  全身麻酔中に発症するアナフィラキシーは最も重篤な合併症の一つである.麻酔中は常に発症の危険性を念頭に置き,もし発症したら可及的速やかに治療しなければ死に至ることもある.迅速にアナフィラキシーと診断し治療を開始することが救命率を上げる最適な手段である.原因薬物として筋弛緩薬の頻度が最も高い.循環虚脱や重度な気管支痙攣の場合には心肺蘇生に準じた治療が必要である.気道の確保,呼吸の管理,循環の管理(救急蘇生のCAB)を行う.第1選択薬はアドレナリン,酸素,補液であり,ステロイドや抗ヒスタミン薬はあくまで第2選択薬である.アナフィラキシーの機序確認のため最低限度βトリプターゼの測定を行う.

著者関連情報
© 2012 日本臨床麻酔学会
次の記事
feedback
Top