日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
血液製剤使用拒否患者の麻酔経験
麻酔前の問題点
福井 明
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 18 巻 7 号 p. 663-667

詳細
抄録

過去5年間に経験した血液製剤使用拒否患者12名の麻酔前の問題点について検討した.全員がエホバの証人信者で,麻酔回数は13回,すべて全身麻酔症例であった.麻酔前の問題として,血液製剤使用拒否の意思表示の遅れ,補助手段に対する知識不足,初回提出の免責証書に受入れ可能な補助手段の記載もれ,家族間での意思不統一などが認められた.
信者自身が使用可能な血液製剤と補助手段を熟知し,記載もれのない免責証書の作成と携帯および家族間の意思統一が望まれる.一方,医療機関と医師は,血液製剤使用拒否患者への対処方針決定とマニュアル作成とその明示が必要である.

著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top