2021 年 13 巻 3 号 p. 277-280
症例の概要:患者は67歳の男性.咀嚼困難を主訴に来院した.重度慢性歯周炎による動揺に起因する咀嚼障害,多数歯欠損による咀嚼障害と診断した.多数歯抜歯と即時義歯により咬合支持を得て,コーヌステレスコープ義歯によって最終補綴を行った.
考察:本症例ではコーヌステレスコープ義歯を用いて上顎残存歯の二次固定を試みた.コーヌステレスコープ義歯で支台歯を連結することによる二次固定の獲得が咀嚼能力の向上に寄与し,治療後に高い患者満足度を得ることができた.
結論:コーヌステレスコープ義歯による最終補綴により咀嚼能力の向上が認められた.