日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
すれ違い咬合に対してオーバーデンチャーを用いて対応した症例
三輪 俊太
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2020 年 12 巻 3 号 p. 288-291

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抄録

症例の概要:初診時66歳の男性.妥協的メインテナンス中に,顎堤部疼痛を訴えた.上顎右側,下顎左側に動揺歯を認め,対向する上顎左側,下顎右側顎堤は著しく吸収していた.慢性辺縁性歯周炎ならびに義歯不適合に起因する咀嚼障害と診断した.前処置と義歯製作について同意を得た後,動揺歯の抜歯,下顎残存歯の根管治療を行い,磁性アタッチメントの装着,根面板の装着を行った.上下顎ともに金属床の全部床義歯を製作した.

考察:加圧因子を減少させ,咬合平面を是正したことにより力学的安定性が向上したと考えられる.

結論:オーバーデンチャーはすれ違い咬合に対し咬合の均衡を図ることができる効果的な治療法の一つである.

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