日本農村医学会雑誌
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がん放射線治療システムの導入における診療放射線技師の役割と実践
吉浦 隆雄古庄 剛栗本 純一櫻木 三能高野 恵内田 大地板谷 貴好宇都宮 美智吉岡 由香理和田 沙織伊見 奈々子藤富 豊
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2015 年 63 巻 5 号 p. 797-804

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抄録

 大分県厚生連鶴見病院は, 平成23年4月新館完成と同時期に, 多機能かつ高性能のシステムを有する放射線治療装置を導入し, 同年9月からがん放射線治療を開始した。  当院は, がん治療高機能病院として安全で質の高い医療を提供し, 高機能・高精度の放射線治療が実施でき, 患者さんや社会から信頼されることを目指している。  がん放射線治療においては, 高い専門性を有した医師, 診療放射線技師, 看護師による緊密なチーム医療の実践が重要である。その中で診療放射線技師は, 日常のがん放射線治療において治療計画による線量分布作成やモニタ単位数の計算, 位置決め撮影, 固定具・補助具の作製, 照射照合, 患者のセットアップと毎日の照射治療, 放射線治療機器等の品質保証・品質管理, 患者さんへの説明, 放射線管理, 医療安全など多岐にわたる業務を実践している。  とくに, がん放射線治療システムの導入から治療開始までの過程においては, ①仕様書の作成, ②装置の決定, ③関係法令に基づく手続き, ④受け入れ試験, ⑤臨床データの取得, ⑥コミッショニング, ⑦治療線量の検証などの作業が必要であり, いずれも診療放射線技師の責任のもとに実施しなければならない。  今回, 当院のがん放射線治療システムの導入から治療の開始において, がん放射線治療を牽引する診療放射線技師の役割と実践について言及する。

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© 2015 一般社団法人 日本農村医学会
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