2007 年 55 巻 5 号 p. 472-479
入院患者の高齢化に伴い,転倒転落事故の防止が看護スタッフにとって重要な課題となってきた。我々の病院では転倒転落防止アセスメントスコアシートを活用し事故防止に向けて積極的な取り組みを行なってきた。その結果看護師の意識に変化が認められたので,意識調査を行なった。
調査結果の解析から以下のことがわかった。(1)転倒転落アセスメントスコアシートおよび看護計画を作成することで看護師の危険予測に対する意識付けが出来た。(2)患者個々にあった援助を行ない,患者,家族とスタッフが共通した認識を持つことが転倒転落予防に必要である。(3)対策マニュアルを活用することにより転倒転落時の対応が統一できた。(4)事故情報をスタッフが共有することで,再発防止対策が充実された。