日本臨床免疫学会会誌
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総説
ステロイドの話題—関節リウマチ治療を中心として—
赤真 秀人
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2011 年 34 巻 6 号 p. 464-475

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抄録

  Henchが関節リウマチ(RA)患者に初めてステロイド(コルチゾン)を試用したのは1948年であった.諸刃の剣であるステロイドの歴史を繙くと,21世紀のリウマチ医も改めて学ぶべき点が少なくない.本稿では基礎研究からは,脂肪組織などの細胞内でコルチゾン(不活性型)からコルチゾール(活性型)への変換を促進する11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 1について簡潔に概説する.さらにステロイドのnon-genomic作用機構とメチルプレドニゾロンパルス療法との関係も推察する.臨床面では,わが国の大規模コホート研究と生物学的製剤の全例調査で得られる実地臨床データを利用して,ステロイドの使用実態を紹介する.近年,日本でも各種生物学的製剤が続々と登場している.ステロイド併用率・投与量の変遷を追跡すること,RA低用量ステロイド療法におけるeffectivenessの詳細を明確化すること,などは今後の課題といえる.いくつかの用語の定義や解説も加え,ステロイドに関する話題を提供する.

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© 2011 日本臨床免疫学会
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