日本内科学会雑誌
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IV.病原体別にみた院内感染と対策
4.腸球菌
山口 敏行
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2008 年 97 巻 11 号 p. 2687-2694

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抄録

VREは欧米において院内感染症の主要な原因菌であるが,わが国ではVREの検出数およびVRE感染症の症例は多くない.VREに対する院内感染対策は標準予防策に加え接触感染予防策を行うが,VREは保菌者の便から排出されるため,トイレや汚物室などの環境整備と,患者および医療従事者の手指消毒が特に重要である.VRE感染症例に対してはリネゾリドの投与を検討するが,定着例には抗菌薬を用いた除菌は行わず,乳酸菌製剤の投与を考慮する.

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© 2008 一般社団法人 日本内科学会
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