2002 年 91 巻 2 号 p. 728-730
症例は79歳,男性.左半身不全麻痺と全身の紫斑を主訴に当科受診.頭部CT検査にて左頭頂葉に血腫を認め,血小板数が0.2×104/μlと減少していた.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断し,ステロイド投与, γグロブリン大量療法および免疫抑制剤投与を行ったが,血小板数の増加がみられなかったため,脾臓に対する放射線照射を施行したところ,血小板数が16×104/μlと増加し,症状の改善を認めた.治療抵抗性のITPに対して脾臓への放射線照射が有効と考えられた.