日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
早期診断・治療しえた劇症型溶連菌感染症の1例
柳 雅彦榎本 克巳鈴木 文孝川田 一也三浦 義昭
著者情報
キーワード: 劇症型溶連菌感染症
ジャーナル フリー

2002 年 91 巻 6 号 p. 1867-1869

詳細
抄録

症例は49歳,女性.山地で両大腿部に擦過傷を負った2日後に熱発・振戦・嘔気・一過性痙攣が出現し入院した.入院後数時間でショック,急性腎不全状態となり左大腿部の皮疹は中心が壊死様に変化していた.抗ショック治療,抗菌治療を開始し左大腿内側部にデブリードマン処置など集中治療を行った後全身状態は改善された.後日血液などよりA群β溶連菌が検出され診断確定に至った.劇症型溶連菌感染症は四肢など軟部組織に壊死性炎症を起こし急速にショックや多臓器不全に陥る重篤な疾患である.本症例は早期に診断・治療が行われ良好な経過が得られたと考え報告した.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top