リウマチ性多発筋痛症(PMR)とマクロアミラーゼ血症を合併した1例を報告する.症例は56才の男性.四肢の筋肉痛を主訴に入院.上腕,下肢に強い運動痛と圧痛を認めたが,筋力低下,筋萎縮,神経学的異常所見は無かった.血沈亢進, CRP陽性を呈するも各種自己抗体陰性,筋原性酵素は正常で筋電図所見も異常は無かった. Birdらの診断基準よりPMRと診断,プレドニゾロン少量投与により自覚症状,炎症反応の改善を認めた.一方本例ではマクロアミラーゼ血症の存在が確認された.しかしステロイド療法によってPMRは改善したにも拘らず血清アミラーゼ値の低下は認められなかったことから,両疾患の発症における因果関係は無いものと思われた.