日本内科学会雑誌
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慢性骨髄性白血病のbusulfan療法にかんする検討
衣笠 恵士高久 史麿佐々 茂千葉 省三溝口 秀昭中尾 喜久
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1969 年 58 巻 11 号 p. 1191-1196

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抄録

慢性骨髄性白血病の治療はbusulfanの使用により著しく容易となり,臨床的にも血液学的にも良くコントロールされ得るようになつたが,患者の生存期間の延長を認める報文はほとんどみられない.われわれはbusulfanの投与量を減じ,従来維持療法量とされていた2mg/日を末梢白血球数の多募とは関係なしに,初回治療時より投与し,従来の4~6mg/日投与群に比べて延命効果を認めたので報告した.すなわち2mg投与群13例についての50%生存期間,5年生存率はおのおの診断時より55カ月,46%で,6mg投与群14例についてのおのおの30カ月,13%に比し有意に秀れている.以上の延命効果につき,busulfan投与量と急性転化の機構との関連において考察を加えた.

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