日本内科学会雑誌
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今月の症例
アジスロマイシン単回服用が奏功したキノロン耐性細菌性赤痢の1例
田村 格藤井 達也高橋 亮太箱崎 幸也
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2012 年 101 巻 2 号 p. 451-453

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抄録

症例は26歳,女性.5日間のインドのデリー,アグラ,ジャイプールへの観光旅行から帰国した翌日に発熱と血便が出現.自宅近くのクリニックを複数回受診しスパルフロキサシン(SPFX),セファクロル(CCL)を投与されるが症状改善なく当院受診.便培養にて同定されたShigella flexneri(2a型)に対してアジスロマイシン(AZM)2g単回投与を実施したところ,翌日にはすべての症状が消失し,以後も再燃を認めなかった.薬剤感受性検査ではアンピシリン(ABPC),スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST),クラリスロマイシン(CAM),クロラムフェニコール(CP),シプロフロキサシン(CPFX),スパルフロキサシン(SPFX),レボフロキサシン(LVFX)への耐性が確認された.

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© 2012 一般社団法人 日本内科学会
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