日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
ネフローゼ症候群を合併した梅毒性直腸炎の1例
倉橋 知英井倉 技梶原 信之山本 聡子松本 康史林 和幸中原 征則厨子 慎一郎今井 康陽黒川 正典
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 100 巻 6 号 p. 1657-1659

詳細
抄録

症例は42歳,男性.発熱,全身の皮疹,右季肋部痛が出現し当院を受診した.大腸内視鏡検査で直腸にタコいぼ様隆起が多発し,膜性腎症によるネフローゼ症候群を呈した.RPR,TPHAの高値を認め,第2期梅毒と診断した.ベンジルペニシリンベンザチン水和物の内服治療で速やかに改善した.梅毒の病変はTreponema pallidumが血行性に移行してあらゆる臓器に起こりうるが,梅毒性直腸炎とネフローゼ症候群の合併は極めて稀である.

著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top