日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
ポリスチレンスルホン酸カルシウム内服により回腸狭窄・イレウスを来した1例
加藤 総介小野 雄司高木 智史吉田 純一平川 昌宏伊東 竜哉中西 勝也荻野 次郎長谷川 匡
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 102 巻 1 号 p. 150-152

詳細
抄録

症例は75歳,男性.慢性腎不全,高カリウム血症で6年前よりポリスチレンスルホン酸カルシウム(calcium polystyrene sulfonate:CPS)を内服していた.腹痛・嘔吐で近医を受診し,イレウスの診断で紹介された.回腸に5cm長の狭窄と口側の腸管拡張を認め,減圧の後に回腸部分切除術を施行した.切除標本で狭窄部に腫瘍や癒着はなく,炎症細胞浸潤,線維化,肉芽,粘膜下層にCPSと考えられる好塩基性異物と異物型巨細胞を認め,CPSの腸管への沈着により狭窄・イレウスを来した稀な一例と考えられた.

著者関連情報
© 2013 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top