分析化学
Print ISSN : 0525-1931
総合論文
高効率試料導入システムを用いた高時間分解ICP-MSによる単一ナノ粒子・細胞分析
宮下 振一藤井 紳一郎稲垣 和三
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 66 巻 9 号 p. 663-676

詳細
抄録

近年,比較的新しいナノ粒子・細胞分析法として誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)をベースとした単一粒子ICP-MS(spICP-MS)や単一細胞ICP-MS(scICP-MS)が注目を集めている.これらの方法は,一般的なICP-MS測定とは異なり,粒子や細胞を個別に分析するための高時間分解測定及び膨大な測定データの処理が必要とされ,さらに分析をハイスループットかつ高精度に行うためには高効率かつ繰り返し再現性の高い試料導入が必要とされる.著者らはこれまで,装置検出器からの信号直接読み取りによる高時間分解測定と測定データ処理を同時並行して実行可能なシステム,ならびに試料導入時の損失を可能な限り抑えた高効率試料導入システムを開発してきた.本稿では,それらのシステムの開発概要とspICP-MS及びscICP-MSへの応用例について報告する.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2017
前の記事 次の記事
feedback
Top