1986 年 94 巻 1087 号 p. 324-329
板状Bi4Ti3O12粉体をテープ成形して作製した成形体について焼結中のち密化速度及び微細構造 (結晶粒子と気孔) の変化を調べ, 板状粒子の焼結機構を考察した. ち密化を支配する機構は主に粒子の再配列で, 焼結初期の早いち密化や収縮率の異方性が認められた. また, 粒子の再配列の結果, 粒子のよく配向した領域とその間の平板状の気孔が生成した. 焼結の進行に伴いこれらの領域は大きくなり, これらの領域で挟まれた気孔を切断し, 等軸粒子より低密度で閉気孔が生成した. 粒成長は1050℃以上で顕著になり, 粒径分布も広くなった.