窯業協會誌
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シリコンテトラエトキシドからのシリカガラス繊維及び透明シリカガラスの調製
神谷 寛一作花 済夫水谷 通利
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1978 年 86 巻 999 号 p. 552-559

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抄録

シリコンテトラエトキシドSi(OC2H5)4を種々の条件で加水分解し, 溶液のえい糸性を調べ, シリカガラス繊維を得ること及びゲルを1000℃まで加熱しシリカガラスを調製する可能性について検討した.
エチルアルコールを溶媒としてSi(OC2H5)4にH2O及びHClをモル比で [H2O]/[Si(OC2H5)4] が1-29, [HCl]/[Si(OC2H5)4] が0.003-0.3となるように加え, 80℃に加熱して均質な混合溶液を調製した. 溶液を30℃に保ってSi(OC2H5)4の加水分解, 縮合を進行させ, 得られたゲルを1000℃まで加熱してシリカガラスとした.
[H2O]/[Si(OC2H5)4] が2以下となるようにして調製した溶液は加水分解途上でゲル化直前に著しいえい糸性を示し, 繊維を紡糸することができた. 紡糸した繊維を加熱しシリカガラス繊維を得た.
[H2O]/[Si(OC2H5)4] が15-29の混合溶液の加水分解の結果得られるゲルからは適当な加熱スケジュールで1000℃まで加熱することによって0.8mm×7mm×7mmの大きさで2.20g/cm3の密度をもつ透明なシリカガラス片が得られた.

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© The Ceramic Society of Japan
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