2019 年 43 巻 1 号 p. 1-14
本研究では、韓国における自立生活理念の導入に関して、障害当事者がどのような状況の中で、自立生活理念を受け入れるようになったかを検討した。検討結果は、以下の通りである。1.障害者問題の解決のため、青年障害者が新聞を創刊し、自らの声を主張した。2.青年障害者は、当時障害者の入所施設での非人権的な処遇、職業及び社会への参加制限などの問題に限界を感じていたところ、自立生活理念と出会う。3.自立生活理念は、当初研究者らによって、海外のプログラムとして紹介された。しかし、その後国内外の障害当事者によって、従来の障害者保護や差別とは異なる、障害者の自己決定を尊重する画期的な理念であることが紹介され、韓国での導入の可能性が高まった。