2019 年 63 巻 3 号 p. 82-96
2018年10月,茨城県において,「人と湖沼の共生─持続可能な生態系サービスを目指して─」をテーマに「第17回世界湖沼会議(いばらき霞ヶ浦2018)」が開催され,会議の閉会にあたり「宣言」が採択された。「宣言」は前文と主文から成り,前文には,〈これまでの世界湖沼会議の成果〉,〈持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)〉,〈世界の水環境問題の議論〉が紹介されており,主文は「1 生態系サービスを衡平に享受すること」,「2 生態系サービスを次世代に引き継ぐこと」,という二つの項目立てで構成されている。1 の記述には生態系サービスの「均衡が崩れてきている」という文言があり,2 の記述には「自然資源の継承」という文言があるが,本報告では,上記の「生態系サービス」の評価の方法論と共に,これらの文言について考察をした。最後に「湖沼のメインストリーム化」という課題に言及した。