大学図書館研究
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論文
英国の大学図書館における電子的情報サービスの進展
尾城 孝一
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ジャーナル オープンアクセス

1997 年 52 巻 p. 36-51

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抄録

英国では,1995年からeLibプログラムの下に,60もの電子図書館プロジェクトが開始されている。「フォレット・レポート」にもとづくこれらのプロジェクトは,電子的図書館サービスのあらゆる側面をカバーする網羅的プログラムとして整備されている。

また,英国にはBIDSをはじめとする,いくつかのナショナル・データセンターが存在し,1990年代前半から,主として二次情報(抄録・索引)データベースのサービスを行ってきた。CHESTによるライセンス契約の代行,それに加えてデータセンターでのサービスという英国方式は,我が国における今後のデータベース・サービスの在り方を考える上でも参考になりうるであろう。

さらに近年,各大学図書館が所蔵する情報資源のさらなる有効利用の必要性が強調され,OPACの統合化,ドキュメント・デリバリの発展といった資源共有活動が活発になってきている。その成果は,EDDISのような統合的ドキュメント・サーバとして結実しつつある。

こうした電子図書館プログラム,データセンターのサービス,資源共有活動は,お互いに有機的に関連しあいながら,総体として英国における電子的情報サービスの進展に寄与しているのである。

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1997 (c) 大学図書館研究編集委員会
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