どのような記録を残し、後世の人々がこれらを利用して過去の事実を検証し、将来の動向を予想することができるだろうか。このテーマと取り組むには、アーカイブズの役割をさまざまな角度から議論を深め、広く社会的認知を高めることが前提となろう。しかしながら、我が国は、アーカイブズあるいは記録管理の分野において、後発の発展途上国と評価されている。そこで、現用、半現用文書の改善整備活動に携わってきたコンサルタントの視点から、非現用文書(古文書)の評価選別、安全な保存・保護、公開利用、そして専門職養成と働く場の確保など、現状および問題点を明らかにし、アーカイブズの未来のために役立つ提言をする。