主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第69回大会
開催地: 徳島大学常三島キャンパス/あわぎんホール
開催日: 2018/08/24 - 2018/08/26
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我々の日常生活やスポーツ活動では、外部環境が一定ではなく、環境が変化した際には身体運動を調整して対応することによって成り立っている。これは、一般的な運動能力とは別に「調整力」と呼ばれ、調整力の評価が可能な項目としては、幼児の運動能力調査で用いられている両足連続跳び越しが挙げられる。本研究では、年中児、年長児、小学1年生、小学5年生を対象とし、両足連続跳び越しにおける動作特性の発達的過程を明らかにすることを目的とした。主に、課題遂行に要した動作時間、各跳び越し動作の滞空時間と接地時間、滞空時間のばらつきと接地時間のばらつき(標準偏差)といった量的データを解析対象とした。その結果、動作時間は男女ともに学年が上がるにつれて短くなり、男子の方が女子よりも有意に短かった。また、動作時間の長短については、男子は滞空時間と接地時間が、女子は接地時間が特に関与していることが明らかとなった。接地時間のばらつきについては、男女ともに学年が上がるにつれて小さくなったことから、学年が上がるにつれて跳び越し動作の再現性が増し、安定した動作が可能になることが示された。