化学と教育
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香川で生まれ育っている「希少糖」(ご当地の化学[香川県/中国四国支部])
何森 健
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2016 年 64 巻 2 号 p. 74-77

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抄録

糖は太陽の光エネルギーが,植物の光合成によって化学エネルギーに変換され生成された有機物である。人は太陽の光を浴びると,日焼けをするが自分のエネルギーとして利用することはできない。植物が作ってくれた糖を食べ,それを分解することで生命を維持するエネルギーを得ている。このように,糖は地球上で生物が生きていくうえで,大きな役割を果たしている。希少糖も「糖」であるから糖の役割を果たすことができるだろうか。希少糖の定義は「地球上に存在量の少ない単糖とその誘導体」である。存在量が少ないということは,糖の大きな役割である生物のエネルギーの運搬の役割を果たせないことになる。この希少糖をバイオの力で作って研究してみた結果,希少糖はエネルギーの運搬の役割は果たせないが,予想できなかったいろいろな生理活性をもつことがわかってきている。希少機は香川県の地域産業資源に指定され,世界にさきがけた研究開発が進んでいる。

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© 2016 公益社団法人 日本化学会
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