2012 年 60 巻 10 号 p. 418-421
食品に含まれる糖質(炭水化物)は,タンパク質や脂質とともに三大栄養素の一つに数えられているが,糖質の摂取量は必要エネルギー量の60%程度と他に比べて非常に大きいことからも,その重要性をうかがい知ることができる。しかし,摂取される糖質はエネルギー源として利用されるばかりではなく,さまざまな生理機能に利用されている上,共生する腸内細菌が利用することによりその恩恵をも受けている。本稿では糖質がどのように化学物質としてふるまっているのかについて,「見分ける」をキーワードとして概説する。