岩手医科大学歯学雑誌
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原著
口腔内スキャナーを用いたインプラントアバットメントの位置再現性の検討
深澤 翔太
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2017 年 42 巻 1 号 p. 22-32

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抄録

口腔内スキャナーならびにデスクトップ型スキャナーを使用して,インプラントアバットメント間における距離の真度,精度の比較検討を行い,口腔内スキャナーの精度を評価した.

接触式三次元測定機により基準模型の計測を行った.続いて,口腔内スキャナーとデスクトップ型スキャナーを用いて基準模型の測定を行った.得られたデータを基に,距離における真度と精度の比較解析を行った.

真度に関して,True Definition Scanner (TDS),Carestream3500 (CS)はTRIOS3 (TR3) とKaVo (KA) との間で有意な差を認めた.精度に関しては,CS と全てのスキャナーとの間で有意な差を認めた.基準模型に関して,CS によって測定された精度は,他の口腔内スキャナーによって測定されたものと比較して,有意に大きかった.CS を除く口腔内スキャナーの誤差範囲は非常に小さかった.

本研究から,口腔内スキャナーによる光学印象法は,複数歯のインプラント治療への臨床応用が可能であることが示唆された.

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2017 岩手医科大学歯学会
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