脳血管内治療
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原著
自己拡張型ステント留置後血管は直達術時に安全に遮断可能か?
西堀 正洋大島 共貴山本 太樹後藤 峻作島戸 真司西澤 俊久加藤 恭三
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 1 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

【目的】ステント留置後の頭蓋内血管に対して,直達手術による追加治療が必要となる状況は今後想定されうる.ステント留置血管を,チタンクリップで一時遮断することは安全に可能かin vitro で評価を行った.【方法】シリコンチューブに33%グリセリン溶液を灌流し加圧した.Enterprise VRD,Neuroform,Wingspan を展開後,チタンクリップで遮断し,圧を負荷して遮断部位の溶液漏出を観察した.また遮断解除後のステントをCone-beam CT で観察した.【結果】Enterprise VRD,Neuroform,Wingspan の順に遮断しやすかった.2 本のパーマネントクリップを用いることで180 mmHg までは,全てのステントが遮断可能であった.遮断解除後,ストラットの損傷はいずれも認めなかった.【結論】現在本邦で使用されている自己拡張ステントが留置されている血管に対して,直達手術時に一時的な血流遮断は可能と考えられた.ステント留置血管を遮断する場合は,パーマネントクリップを2 本用いるのが確実である.

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© 2016 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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