国語科教育
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II 研究論文
「場」との関わりに目を向けた学習者研究――当事者が「物語る」ことの必要性――
下田 実
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2017 年 81 巻 p. 14-22

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抄録

本研究の目的は、「場」との関わりに目を向けた学習者研究の構築に向けて、実践主体である当事者が「物語る」研究手法の必要性と、研究のフィールドを国語科とインクルーシブ教育の接点に求めることの意義を明らかにすることにある。研究を進めるにあたって、「場」を「授業の目標に沿って学習に取り組んでいる状況」と定義した。また、研究方法として当事者(教師自身)が実践を物語る形式の「当事者参加型アクションリサーチ」を用いた。

研究の結果は次の通りである。(1)研究の枠組み:「疎外」と「受容」の視点から「個」をとらえ、その指導過程を実践当事者が物語化することによって「個」のあらわれを意味づける。(2)研究のフィールドを国語科とインクルーシブ教育の接点に求めることの意義:「個」の「内的言語活動を支える独自な認識」が可視化され、言葉の学びによる成長過程の典型が見出されてくる。

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© 2017 全国大学国語教育学会
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