2019 年 22 巻 1 号 p. 219-232
本研究では,日本の大学生を対象に日本人英語話者に対する態度を調査した.協力者は異なる言語変種で異なる内容を話す話者を評価した.その結果,Native-like Englishの話者は能力がより高く評価され,Katakana Englishの話者は社会的魅力がより高く評価された.一方で,話す内容については,英語が日本の小学校に正式な教科として導入されることに賛成した場合の方が,反対した場合よりも話者の社会的魅力がより高く評価される結果となった.また,4つの評価項目(信頼性,流暢さ,知的さ,社会的地位)において言語変種と内容の相互作用が見られた.これらの結果はWorld Englishesの概念を日本の英語教育に導入することの必要性を示していると考えられる.