日本看護管理学会誌
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大学病院に勤務する看護職の専門職的自律性と経験年数の関係
中村 美香岩永 喜久子
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2017 年 21 巻 1 号 p. 40-50

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抄録

本研究の目的は,大学病院に勤務する看護職の専門職的自律性と経験年数による関係を明かにすることである.看護職589名を対象に看護職の自律性測定尺度を使用し,無記名自記式質問紙調査を実施した.看護職の経験年数を5群(1年目,2~3年目,4~10年目,11~20年目,21年目以上)に分けて分析を行った.質問紙調査票は435名から回収され(回収率73.9%),371名を分析対象とした.自律性測定尺度の平均値は,経験年数1年目は2.66点(SD=0.58),2~3年目は3.10点(SD=0.46),4~10年目は3.41点(SD=0.41),11~20年目は3.54点(SD=0.52),21年目以上は4.02点(SD=0.46)であった.経験年数1年目と2~3年目,2~3年目と4~10年目,11~20年目と21年目以上の群間で有意差が認められ(p<0.05~p<0.001),21年目以上も他の全ての群間である1年目,2~3年目,4~10年目,11~20年目で有意差が認められた(p<0.01~p<0.001).本研究対象の大学病院に勤務している看護職の専門職的自律性は1年から10年では上昇し,11~20年では変化がなく,21年以上では再び上昇していた.看護職の専門職的自律性を身に着けていくための支援として,経験年数を踏まえた教育方法の示唆が得られた.

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© 2017 一般社団法人 日本看護管理学会
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