作物研究
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論文
酒造掛米用水稲品種「京の輝き」の育成
尾崎 耕二 三浦 清之笹原 英樹重宗 明子後藤 明俊長岡 一朗藤田 守彦今井 久遠河瀬 弘一
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キーワード: 水稲, 品種, 育成, 掛米, 酒造, 京の輝き
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2013 年 58 巻 p. 25-31

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抄録

多収,大粒で酒造適性に優れる酒造掛米用水稲品種「京の輝き」を,「収6602」を種子親,「山形90号」を花粉親とする交配組み合せから,京都府と(独)農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センターとの共同研究により育成した.稈長は「日本晴」よりやや短く,出穂期と成熟期は「日本晴」より3日程度早い.収量は「日本晴」より1割程度多収で,耐倒伏性は"強",穂発芽性は"やや易"である.葉いもち圃場抵抗性は「日本晴」並の"中",穂いもち圃場抵抗性は"やや弱"である.玄米千粒重は「日本晴」より1g程度重い.酒造評価,きき酒評価とも「祭り晴」に優り良好である.2011年に実施した京都府内における現地適応性試験の結果,「京の輝き」の多収性を発揮するには,「日本晴」より穂数を多く確保する必要があり,「京の輝き」に適した生育指標の必要性が示唆された.

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© 2013 近畿作物・育種研究会
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