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環境発がんの理解と個別化がん予防に寄与する変異シグネチャー研究

Mutational signature analysis towards understanding environmental carcinogenesis and personalized cancer prevention
柴田龍弘
Tatsuhiro Shibata:Laboratory of Molecular Medicine, The Institute of Medical Science, The University of Tokyo1)/Division of Cancer Genomics, National Cancer Center Research Institute2)(東京大学医科学研究所 ゲノム医科学分野1)/国立がん研究センター がんゲノミクス研究分野2)
10.18958/6619-00001-0000939-00

ゲノム変異シグネチャーは,発がん要因の推定とその貢献を定量的に評価でき,環境発がん・がん予防研究に新たな展開をもたらしている.大規模ながんゲノムシグネチャー解析から,多様な環境発がん要因の同定,正常組織や前がん病変における発がん過程,人種差や遺伝子多型との関連等が明らかになった.本研究領域は今後国際共同研究や大規模日本人がん全ゲノム解析によってさらに進展し,変異シグネチャーの原因解明や未病段階のモニタリングはゲノム情報と生活習慣を考慮した個別化がん予防の新たなブレイクスルーとして期待される.

変異シグネチャー,前がん病変,人種差,遺伝性素因,個別化がん予防

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