2019 年 44 巻 268 号 p. 17-25
近年, 業務建物においてスマートメータの導入が進んでおり, それらの建物の30 分もしくは 1 時間ごとの消費電力計測データの利用が可能になりつつある。しかし, スマートメータデータは建物全体の消費電力データであり, 用途ごとの内訳が明らかでなく省エネルギーに資する分析が困難である。本研究ではスマートメータデータの有効な活用法を開発することを目的とし, 大阪大学の約 200 棟の建物の消費電力計測データの分析とエネルギーシミュレーションを行った。その結果, スマートメータデータをベース分・空調分・活動分に分解する用途分解手法や, データ分析結果から建物シミュレーションに入力する内部発熱・空調スケジュールの生成手法などを開発した。