2001 年 16 巻 1 号 p. 25-34
高性能林業機械の効果的な活用のためには機械の処理能力の検証把握だけではなく,運用や維持に伴って発生するコストについても明らかにし,その削減に努める必要がある。本研究では,宮崎県林業労働機械化センター所管の稼働中プロセッサ13台を対象に,補修作業の履歴を追跡し,プロセッサ補修費用の構成を明らかにしたうえで補修費用におけるコスト削減方策を考察した。補修作業履歴追跡の結果,油圧機構を始めとする補修作業内容にも高度な技術を要しない軽微なものが多く存在することに注目し,こうした軽微な作業をユーザー自身が行うことで工賃の抑制,故障からの迅速な復帰による運用効率悪化の防止,重大な故障や損傷の予防と早期発見といった効果が得られると考えた。