理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
歩行環境が虚弱高齢者の歩容に与える効果の研究
─加速度,動揺量,歩行速度の分析から─
高橋 隆宜井上 健太郎森 一彦宮野 道雄
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キーワード: 歩行環境, 歩容, 加速度
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2012 年 27 巻 6 号 p. 677-681

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抄録

〔目的〕本研究の目的は,歩行環境が虚弱高齢者の歩行動作に与える効果を検討することであった.〔対象〕実験参加者は15名の高齢女性であった.〔方法〕実験環境は,「手の届く範囲に壁がある」条件(条件①)と「手の届く範囲に壁がない」条件(条件②)で5 mの距離を自由歩行することであった.測定指標は身体加速度と身体動揺量,歩行速度とした.身体加速度より歩行時の動きの強度を算出し,その平均値を用いて動きの強度の弱群と強群に分けた.〔結果〕条件②では,強群は弱群に比べ身体動揺量が大きくなり,歩行速度も速かった.条件①では,弱群と強群に身体動揺量の差は確認されなかった.〔考察〕動きの強度に関わらず,手の届く範囲に壁がある歩行環境は虚弱高齢者の身体動揺量を軽減させ,転倒のリスクを軽減することが示唆された.

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© 2012 by the Society of Physical Therapy Science
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