2011 年 26 巻 1 号 p. 139-142
〔目的〕ステップエルゴメーター(Biostep)を用いて,地域在住高齢者におけるアイソキネティック運動時のピークパワーと身体機能評価との関連を検討することを目的とした。〔対象〕高齢女性12名(平均年齢78.3歳)とした。〔方法〕ステップエルゴメーターによる筋パワーの測定(60および90 steps/min),Timed Up and Go Test(TUG),等尺性膝伸展,屈曲筋力を測定した。分析は測定値間の関係を検討するためPearsonの相関係数を算出し,TUGを従属変数としたステップワイズ重回帰分析を行った。〔結果〕60 steps/minパワーはTUG,膝伸展トルクに有意な相関を認めた。90 steps/minパワーはTUG,膝伸展,膝屈曲トルクに有意な相関を認めた。重回帰分析では,90 steps/minパワーのみが抽出された。〔結語〕ステップエルゴメーターを使用した筋パワーの測定は,筋力や歩行機能を反映した指標であり,高齢者の身体機能を評価する指標として妥当であると考えられた。